戦術が無い ✖
森保監督は本戦においてローブロック戦術を基調にした上で、選手交代と共にハイプレスを仕掛けるタイミングを設定するなどよく準備された戦術を披露した。
ハーフタイムでチームを修正できない 交代で流れを変えられない ✖
ドイツ戦あるいは敗れたコスタリカ戦でもハーフタイムを挟んだ後、より主導権を握り試合を優勢に傾けた。指揮官の采配が後手に回ったのはクロアチア戦のみであり、打ち手は常に用意されていた。
パワープレイを使えない 〇
パワープレイの的になれる植田や落下予測に長けた大迫を呼ばず、キッカーの柴崎も起用されることはなかった。グラウンダーの崩しにこだわった感は否めない。
世界トップレベルの相手には通用しない ✖
世界トップレベルに2勝1分け。そもそもアジアで戦っているが故こういった言説が出てくる訳だが、サウジアラビアを始めとしたアジアの出場国は格上の相手からも粘り強く勝ち点をもぎ取っており、彼らの組織力はワールドカップ水準だったといえる。
アジアレベルで圧倒的な力を見せつけるぐらいでなければ8強進出できない 〇
これは事実で、オーストラリアやイラン、韓国のようなチームを滅多打ちにできる強国はそのまま8強に進出している。
先制されると負ける ✖
逆転勝ちを2試合演じた。先制されると勝ちにくいのはサッカーという競技の特性にすぎない。
属人的で選手頼み ✖
遠藤や冨安酒井といったファーストオプションに頼れなかった試合でも代替選手たちが機能してみせた。ターンオーバーした試合で勝ち点を落としているが、勝ち点9の突破チームが存在しないことからも日本固有の問題ではなく大会全体の傾向と考えられる。
また、レナートバルディのように「日本人選手は際立った個性がないものの不得手が少なく均質的で不測の事態が起きても替えが効きやすい」とほぼ真逆な分析をしていた識者もおり、属人的という言葉自体がマジックワード化している。
疲労マネジメントの不足 〇
ケガから回復途上の選手を多数呼び、本番でいきなり90分プレーさせる起用法はコンディション面で正道とは言えない。4試合を通して鎌田を休ませられず、日本の左サイドはプレッシングの弱まる時間帯が必ず生まれていた。
大迫原口を招集すべきだった △
コスタリカ戦上田、クロアチア戦浅野の低パフォーマンスからは大迫の不在を感じずにはいられなかった。たらればではあるがウイングバックのポジションに原口を置ければ中盤の層も幾分厚くなっただろう。当落線上のベテランより若手を優先したが、ピッチの中では物足りなかった。
他方でチームの一体感が守られていたことは好結果につながっており、柴崎や町野を外すことでチーム力が向上すると言い切るのは難しい。